月経の起きるメカニズム

女性は12~13歳になり、妊娠・出産できる体になると、一定期間ごとに月経が起こるようになります。この月経周期をコントロールしているのが、脳の視床下部と脳下垂体、卵巣などから分泌されるホルモンの働きです。

視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が分泌されると、脳下垂体が刺激されて卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。その刺激を受けた卵胞は成熟をはじめ、子宮内膜も厚みを増してきます。子宮内膜は子宮の内側を覆っている膜で、いわば子宮のなかで受精卵を育てるベッドのような役割を果たします。妊娠しないと、厚くなった子宮内膜は出血を伴いながら剥がれ落ち、膣を通じて体の外に排出されます。これが月経の起きるメカニズムです。

《正常な月経の目安》

  • 初経年齢…平均12歳
  • 月経周期日数…25~38日
  • 出血持続日数…3~7日(平均5日間)
  • 1周期の総月経量…20~140ml
  • 閉経年齢…45~56歳(平均50.5歳)

無月経・月経不順について

月経周期の数え方を間違えている人は案外多いのですが、正しくは「月経初日が1日目」で、次の月経初日がくるまでの日数を数えます。12~13歳で初経はきたのに、その後、月経が起こらなくなることがあります。その期間が3カ月以上続くと「続発性無月経」といい医学的には治療の対象とみなされます。

初経が始まったばかりだと、ホルモンバランスが安定せず、月経周期が崩れることはよくあることで、様子を見ていれば周期が安定してきます。また、無理なダイエットや過度な運動、強いストレスによってホルモンバランスが崩れて月経が止まってしまうこともありますが、原因を取り除けば正常な月経に戻るのが一般的です。

ただし、無月経のなかには甲状腺や卵巣、下垂体などの病気が隠れていることもあります。病気ではなくても、ホルモンの分泌が促されないことで、骨がもろくなって骨折したり、子宮が小さくなって将来的に妊娠しづらくなることもあります。

月経中は腹痛や頭痛が起きたり、イライラしたりする女性も多く、何かとやっかいなこともあるでしょう。「生理がこないほうが楽」と思う人もいるかもしれませんが、月経は女性の体と心を健康に保つための重要な役割を果たしています。無月経の状態を6カ月以上放置すると、回復が難しくなるといわれています。「生理周期が乱れている」「3カ月生理がきていない」といった人は早めに受診することをお勧めします。

また、18歳になっても初経が始まらないことを「原発性無月経」といい、何らかの病気が疑われます。

病気の原因によっては、他科での診療になりますが、当院では、無月経・月経不順についてご相談を承っております。お気軽にご来診ください。